ウッド製品のお手入れのコツ…阿部 正光

素敵なガーデンライフを送っている方の中には、ウッドデッキやウッドフェンス、テーブルやベンチなどの木製品をお持ちの方も多くいらっしゃることでしょう。木製品は屋外で雨風に晒されることによって、色が抜けたり、カビが生えたり、腐食してしまったりするものです。お気に入りのウッドをできるだけ長く大切に使いたい、そんな方のためにお手入れの方法をご紹介します。


ウッドの材質には、ソフトとハードの2タイプあります。

まずは、お持ちの製品がどちらのタイプなのか見分ける必要があります。

  • ソフトウッド:杉・赤松・ヒノキ・SPF(2×4材)・レッドシダー・サイプレス等
  • ハードウッド:イペ・ウリン・セランガンバツ・アマゾンジャラ等

ソフトとハードの違いはいろいろありますが、最も大きな違いは吸水率です。木材自体が水を吸いやすいか吸いにくいかで、お手入れの方法も変わってきます。

ウッド製品のお手入れのコツ

ソフトウッドのお手入れ

水を吸いやすい性質のため、水による腐食を防ぐためのお手入れが必要です。天然木のウッドデッキが、数年で黒っぽく変色し、所々腐ってしまっている姿を見たことがある方もいると思いますが、これらは水による腐食が主な原因です。これを防ぐには、定期的な塗装が最も効果的な方法です。

塗装と言ってもいわゆるペンキを塗ってはいけません。木材は呼吸をしています。ペンキを塗って塗膜を作ってしまうと呼吸ができなくなります。木製品には「木材保護塗料(ステイン)」と呼ばれる、浸透性のある塗料を使用します。私がお勧めするのは、「キシラデコール」や「オスモカラー」という製品。

ウッド製品のお手入れのコツ

薄塗りでもしっかり浸透し、内部から木材を保護してくれますし、カラーバリエーションが豊富なのも魅力です。

これらを、1年に1回のペースで塗装するのが基本ですが、2~3年して色が薄くなってきたなと思ったら塗装するくらいでもいいかと思います。

ハードウッドのお手入れ

ハードウッドは非常に密度が高く堅いため、水がかかっても浸み込みにくく腐食しにくいのが特徴です。また、油分を多く含んでいたり、防虫成分を含んでいるものもあり、その耐腐食性の高さが魅力です。そのままでも非常に腐りにくいため、基本的には塗装は必要ありませんが、紫外線に当たることで色が白銀色に変化していきます。そのため白や茶色などお好みの色を保つ目的で塗装をすることがあります。ただし、塗料も浸み込み難いので、ソフトウッドのように簡単には塗装できません。古雑巾などに塗料を浸み込ませ、こするように塗り広げてください。油分が強く塗料をはじいてしまう場合は、2度3度重ね塗りをしましょう。

ウッド製品のお手入れのコツ

ハードウッドの欠点のひとつに「ヒビ割れ」が起こりやすい事が挙げられます。小さなヒビ割れは特に問題ありませんが、大きなヒビ割れの場合には防水パテなどで補修をした後に塗装をしてください。これによって木材の寿命が大きく伸びます。

共通のお手入れ

ソフトにもハードにも当てはまる共通のお手入れとして、クギやビスの部分のお手入れがあります。クギやビスを打った場所は、穴が開いているため水が浸み込みやすく腐食しやすい場所です。可能であれば、クギやビスの穴すべてにコーキングしてあげるといいのですが、それが難しい場合には、穴部分を念入りに塗装しましょう。ほんの少しの塗りムラから腐食が始まります。

最後に、泥汚れについて。
何らかの拍子にウッドに泥汚れが付いてしまった場合、そのまま放置してしまうと泥の色が木部に浸み込んで取れなくなってしまいます。シャワーで水洗いするか、やわらない布で拭いておきましょう。ウッド製品は天然素材です。ちょっとした油断でアッという間に腐食します。しかし、ちゃんと手入れをしてあげれば、その柔らかな温かみある素材感が庭を引き立ててくれるのです。
ぜひ、ウッドのある素敵なガーデンライフを楽しんでください。

ウッド製品のお手入れのコツ
ウッド製品のお手入れのコツ