コンクリートの白華現象について…阿部 正光
何回も打合せをしてようやく完成したこだわりのガーデン。嬉しくて何回も見回ったりしちゃいますよね。そこでふと気付いたこと。「何だろう? コンクリートの床や塀に現れた、この白く粉を吹いたようなものは・・・」そんな経験をした方も少なくないと思います。
これは、コンクリートの白華現象と呼ばれるもので、作って間もないコンクリート部分に起こりやすい日常的な現象です。日常的とは言っても、できるならば白華してほしくない。または、できてしまった白華をきれいに除去したい。白華ができないようにコンクリートを打設して欲しい。皆さんがそう思うことはごく当たり前のことだと思います。
では、まずは白華現象の正体と、白華が起こるメカニズムをお話しします。
白華現象の正体は・・・
セメントに含まれている水酸化カルシウム等が白く固まったもの(炭酸カルシウムに変化して固着)
なぜ白華が起こるのか
原因は、コンクリートが固まる時の状況が影響しています。
- 水分が多いと白華しやすい
- 若いコンクリートは白華しやすい
- 気温が低いと白華しやすい
- 風が当たると白華しやすい
- コンクリートよりモルタルが白華しやすい
(※モルタルとは、ブロックを積む時に使う材料)
白華現象の種類
白華現象には2つの種類があります。
- 面的に白くなる白華・・・自然に消えやすい
- 筋状に白くなる白華・・・除去しても再発しやすい
コンクリートが固まる際に、水とセメントが化学反応を起こし、その際に必ず水酸化カルシウムが発生します。この水酸化カルシウムがコンクリート表面に集まり、空気中の二酸化炭素と反応し白く固まるのが白華現象です。つまり、コンクリート(セメント)を使う限り、白華現象をなくすことはできないのです。それでも何とかしたい、という方にいくつかの対応策をご紹介します。
コンクリート、ブロック、レンガ、インターロッキングなど、白華が起こりやすい場所は庭の至る所にあります。少しでも快適できれいな庭を保つために、予備知識として知っておくと良いと思います。