タイルや石貼りの汚れ対策…阿部 正光

タイルや石貼り・レンガなどは、どこのご家庭にも普通にある素材です。毎日土足で歩くことが多く、アプローチや玄関まわりは思った以上に汚れが付着しているはずです。また、石貼りやレンガなどの自然素材には垢やコケが付いて滑りやすくなっていませんか?

これらの汚れの付き方は、素材や汚れの種類によって様々です。
全てを完璧に落とすには、プロのクリーニング業者に頼むのが一番ですが、日々のメンテナンスはできるだけコストをかけず、自分でやりたいものですね。

そこで今回は、アプローチや玄関まわりの通常汚れを手軽で簡単に掃除する方法をお伝えします。

タイルや石貼りなどが汚れて見えるのは、大きく分けると3つに分類できます。

このうち、(3)の「摩耗による光沢喪失」については、ご家庭で手軽に解決するのは難しいかもしれません。経年変化による素材の風合いと割り切りましょう。どうしても新品同様の状態に戻したい場合には、専門業者による研磨や塗装などが必要になります。今回は(1)と(2)についてお話ししましょう。

  • 土、砂、油、コケなどの表面汚れは、比較的簡単に落とすことができます。まずは水洗いです。水をかけながらデッキブラシなどで擦ると、ほとんどの汚れが取れると思います。油分など水だけでは取れにくい汚れは、少量のトイレ用洗剤を使ってみてください。粘着性があり泡立ちも少なくて使いやすいですよ。
  • 水洗いしても取れない汚れは、内部に浸透している可能性があります。
レンガ、タイル、石材には目に見えない無数の穴が開いているものが多く、その穴に汚れが浸み込んでしまうと、水だけでは取れ難くなってしまいます。そんな汚れに立ち向かう強い味方が「重曹と酢」です。前にも解説しましたが、アルカリ性の重曹と、酸性の酢を上手く組み合わせることで、ほとんどの種類の汚れを落とすことができます。まずは重曹をスポンジやブラシに付けて軽く擦ります。その時に少量の水を含ませるとより効果的です。水で洗い流した後、食酢を2~3倍に薄めてスプレーし、軽く擦ります。これで、酸性の汚れもアルカリ性の汚れも落とすことができます。また、重曹の白いアルカリ成分が残ってしまうことも防げます。また、重曹は酸と混ぜることによって二酸化炭素の細かい泡を出します。その際に汚れが浮き上がり、掃除しやすくなります。(重曹は、アルミ製品には使用できません。黒ずみができてしまうので注意です)
これらに抵抗がある人は、家庭用高圧洗浄機を試してみてはいかがでしょう。ホームセンターで1万円程度から売られていますが、レンガや石材に付着した泥汚れやコケ、垢などは洗剤なしできれいに除去できます。ブロック塀の洗浄にも有効です。1台あれば、建物外壁やフェンス、窓、物置にカーポート、自動車やバイク、タイヤなど、何でも洗浄できる強い味方になるかもしれません。

汚れを溜めすぎると頑固で取れ難くなります。こまめにメンテナンスすることで、1回あたりの作業量が少なくて済みます。きれいなお庭を維持するために、少しずつコツコツとするのがコツです。ぜひお試しください。