球根類の植え方…春原 康太郎

庭先に元気に生い茂るチューリップなどの球根類。
葉はやたら元気で緑濃く生い茂っているのに花が殆んど咲かない、と言うお庭をよく見かけます。これは同じ場所に何年も植えっ放しで連作障害を起こしていることが原因です。少なくとも2年~3年に一度、球根を掘り上げて、植え付け場所の更新をする必要があります。以下に主な球根の植え方をご紹介します。

<チューリップ>
チューリップの種類は2.000品種以上あると言われています。系統は早生、中生、晩生に分かれます。早生は小型が多く3月下旬~4月上旬に開花、中生は中型・大型が多く4月上旬~中旬に開花、晩生は変り咲きの物が多く4月下旬~5月上旬に開花しますので、時期をずらして植え付ければ長く楽しめます。

日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。10月上旬~12月初旬に植え付けますが、花檀に植え付ける場合は、球根1~2個分の深さを目安に球根同士の間隔は、2個分が標準です。このとき、少なくとも1個分はあけて植えます。鉢植えの場合は5号鉢なら3球、7号鉢なら5球程度が目安です。来春も花を楽しみたい!ならば、球根を肥らせる必要があります。植え付け時に、リン酸とカリ分の多い暖効性肥料を元肥として施しましょう。茎、葉が自然に枯れたる6月上旬に、球根を堀上、茎葉は切り殺菌剤に15~30分程、浸してから蒸れない日陰に吊るして乾かし保存してください。ミニチューリップは丈夫なので2~3年は植えっ放しでも大丈夫です。

<スイセン・ユリ・フリージヤ・アトリウム>
■スイセン
日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。9月下旬~10月下旬に、15㎝間隔、深さ10㎝程度に植え付けます。2~3年はそのまま植えておいてもいいのですが、次第に花が咲かなくなったら植え替えます。6月下旬に掘り上げ、秋まで保存します。

■ユリ
自生していた環境により生育条件が大きく変わります。テッポウユリ、オニユリ、スカシユリは日当たりのよい場所が適し、ヤマユリ、カノコユリ、ササユリは半日陰のほうが生育もよく花色も鮮明になります。また、ユリの多くは幾分砂を含んだ粘質壌土がいいですが、ヤマユリ、カノコユリ、ササユリは腐植質に富んだ膨潤な土を好む。
植え付け時期は10月上旬~11月下旬。ユリの球根の下部から出る根は、下根(基根)といって球根が土から浮き上がるのを防ぐ役割を果たし、球根の上部から地上までに出る根を上根(茎根)と言います。この根が養分を吸収するため球の大きさの3倍(15㎝)程度の深さに植え付けます。なお、球根は毎年掘り上ないで衰弱し始めたら4~5年に一度植え替えます。

■フリージヤ
連作を嫌うので毎年新しい土に植え付けます。また、寒さに弱いので、冬でも日当たりがよく、霜よけしやすい場所を選びます。10月に、間隔6~10㎝、覆土は2㎝程度の浅植えにします。鉢植えの場合は5号鉢なら5球、7号鉢なら8球程度を植え、フレームや軒下などで栽培します。

■アトリウム
生花などでよく使われます。極端な多湿、乾燥を避ければあまり土質を選びません。9月上旬~10月下旬に球根の5~6倍の間隔、球根の2~3倍の深さに植え付けます。花茎が非常に柔らかいので、思い通りの形に変形させることができます。尚、2~3年はそのまま植えておいても大丈夫です。

~小球根類を植え付けてみては如何でしょうか!~

小球根類の植え付けも楽しいものです。小球根はムスカリ、クロッカス、ステルンベルギア、サフラン、オキザリス、バイモ、など色々な種類があります。これらの小球根類は、チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、アリウムなどの、代表的な大球根類の陰に隠れて目立ちませんが。この機会に、これらの小球根を庭の一角に植えつけてみてはいかがでしょうか。球根は小さなものですが、草丈、開花などは、大球根類に見劣りしません。これらの球根は一度庭先に植え付けると時期が来ると毎年芽を出し葉をつけ、花を咲かせて楽しませてくれる素晴しい植物達です。